【発見】対人関係のストレス対処法【アサーションを身につけよう】
こんにちは、うなんです。
「引っ込み思案で、発言するのが苦手…」
「自分の考えをうまく他人に伝えられなくてイライラ」
日常的に他人とコミュニケーションを取る上で、自己主張がうまくいかなくてストレスになることってありますよね。
他人の顔色をうかがいすぎて自己主張ができず、我慢がどんどん蓄積されてしまったり、自分の意見が通らなくて感情的になってしまったり…。
このようなコミュニケーションの問題は、「アサーション」を身につけることで、改善することができます!
私も、自分の意見を発言するのが極度に苦手なタイプなのですが、いざ発言しようというときには、アサーションを意識することで、勇気を出すことができています。
その結果、他者との適切なコミュニケーションを図ることで、ストレスが減っていることを実感します。
そんな「アサーション」を身につけることで、周囲の人と円滑なコミュニケーションを取り、対人関係のストレスを軽減していきましょう!
対人関係のストレス対策に有効な「アサーション」とは
「アサーション」とは、ひとことで言うと「自分も相手も大切にする自己表現」を意味する概念です。
アサーションの考え方と方法は、1950年代にアメリカで生まれたもので、その後日本では平木典子さんが第一人者となり、1980年代から広がってきました。
このアサーションを理解して身につけることで、建設的なコミュニケーションを図り、良好な人間関係を築くことができます。
たとえば、自分が言いたいことを言えても、自分の主張を押し付けるようになったり、相手を不快にさせていたら、それはアサーションではありません。
逆に、自分の意見を言わずに、我慢して押し込めてしまうことも、アサーションのない状態です。
つまりアサーションというのは、「自分だけ」「相手だけ」ではなく、「自分も相手も納得する」ような、適切なコミュニケーションの方法のことなのです。
今のあなたのコミュニケーションはどれに近い?
アサーションがどんなものかわかりやすいように、例として今から言う状況を想像してみてください。
あなたは上司から仕事を頼まれましたが、今は他の仕事もかかえていて、手がいっぱいです。
そんなとき、あなたはどんな対応をしますか?
- ①:断るのは悪いから、無茶だなと思いつつ受け取る
- ②:「無理です」と苛立ちながら断る
- ③:「わかりました。でも、今はこの仕事に着手していて忙しいので、その後でも大丈夫ですか?」と交渉する
①の場合は、自分の現状や思っていることを伝えられていないですね。我慢して、ひとりでどうにかしようとしています。これは、自分のことを大切にできていない表現です。
②の場合は、自分の意思をきちんと伝えられてはいますが、上司からしたら説明もなく断られ、反抗的に見える可能性が高いですよね。これは、相手のことを大切にできていない表現です。
③の場合は、自分のことをまず考えて、他者のことも配慮しています。「自分も相手も大切にする自己表現」ですね。つまり、この③のようなコミュニケーションが、アサーティブなやりとりなのです。
対人ストレスはコミュニケーションの問題が大きな原因
人間関係におけるストレスは、職場などの仕事関係から、学校や友達とのコミュニティ、あるいは家庭内でも発生します。
その原因として、大きいもののひとつが、コミュニケーションによるものです。
とりわけ、自己表現が適当でない場合には、人間関係がうまく築けず、ストレスを抱えることにつながります。
以下に2つの自己表現のタイプに分けて、原因を説明します。
①非主張的:言えない人の場合
たとえば、引っ込み思案で、自分の意見をあまり言えない人は、「自分をわかってもらえない…」というネガティブな気持ちを抱きやすいです。
強い発言をしないので、周りからは「いい人」だと思われるかもしれませんが、悪い場合、いいように使われてしまう可能性もありますよね。
特に、攻撃的な主張をするタイプの人との関係において、強いストレスを感じることがあるでしょう。
また、言えない人同士がコミュニケーションを取っても、お互いに必要な主張をしないので相手のことがわからず、建設的な関係を築くことができません。
「言えない」ことが原因で、人間関係のストレスを抱えるのがこのタイプです。
②攻撃的:アグレッシブな人の場合
「主張を押し通す」「他人に命令する」など、自分の気持ちを優先して通そうとするのが、アグレッシブな人です。
たとえ怒鳴ったり、口調をあらげたりはしていなくても、押し付けがましいことを言うような人は、これに当たります。
本人としては、主張が通ればその場は満足しているかもしれませんが、次第に人が離れていき、対等で親密な人間関係を築くことができないでしょう。
また、アグレッシブな人の発言を恐怖する「言えない人」が、より一層「言えない人」になり、コミュニケーションに悪循環が生まれてしまうことも考えられます。
つまり、「相手ばかりを優先する」のも、「自分ばかりを優先する」のも、対人関係のストレスを生む原因になるのです。
この問題を打開するポイントが、「自分も相手も大切にする自己表現=アサーション」です。
アサーションを身につける方法
ストレスの少ない人間関係を築いていくためには、アサーションを身につけることが有効です。
先ほど、アサーションの説明をする際に、例をひとつ取り上げました。
手が空いていないときに仕事を渡されたら…
- ①:断るのは悪いから、無茶だなと思いつつ受け取る
- ②:「無理です」と苛立ちながら断る
- ③:「わかりました。でも、今はこの仕事に着手していて忙しいので、その後でも大丈夫ですか?」と交渉する
これですね。もう一度この例を使って説明します。
自己表現の3タイプを理解する
自己表現のタイプは大きく分けて、3つあります。
- ①:非主張的自己表現(ノン・アサーティブ)
- ②:攻撃的自己表現(アグレッシブ)
- ③:アサーションを実現した自己表現(アサーティブ)
この3つの数字は、先の例と対応しています。
自分よりも他者を優先して、自分のことを後回しにしているのが、①のノン・アサーティブな表現タイプ。
自分のことだけを考えて行動し、他者を踏みにじることがあるのが、②のアグレッシブな表現タイプ。
そして、自分のことを考えながら、他者のことも配慮するのが、③のアサーティブな表現タイプです。
つまり、③の「アサーティブな自己表現」を身につけることが、理想となります。
アサーティブな自己表現に必要なことは
では、アサーションを身につけるのに必要なことは何かというと、その本質はとてもシンプルです。
- ①自分の考えや気持ちを、相手に正直に伝えてみようとする
- ②伝えたあとは、相手の反応を受け止める
「伝える」と「受け止める」このやりとりが、アサーションの本質です。
まずは、現状の自分の考えを、自分の中でしっかりと確かめます。
それから、それを言語化し、相手にそのまま正直に伝えてみます。
自分の考えと、相手の考えを、どちらも大切に受け止めることが重要なのです。
アサーションを身につけるために:アサーション・トレーニングをしよう
これまでの人生における、他者との交流のプロセスによって、ノン・アサーティブであったり、アグレッシブであったりと、人それぞれ自己表現のクセがついていると思います。
それをアサーティブな自己表現に作り変えていくためには、あらゆる場面でアサーションを考えてみることが重要です。
- アサーティブな表現をするなら、どう言ったら(どう考えたら)いいだろう
- アサーションができている人は、どんなやり取りをしているだろう
あらゆる場面で、このように思考するトレーニングをしていくことが有効です。
職場や家庭など、日常生活での他人とのコミュニケーションを振り返って、自分がアサーティブにできているか、あるいはどうしたらアサーティブにできるか、考えてみましょう。
あるいは、もっと学んでみたい方は、本を読んでみるのもおすすめです。
たとえば、アサーションの日本第一人者、平木典子さんは、『アサーション・トレーニング: さわやかな〈自己表現〉のために』というアサーション・トレーニングの本を出版されています。
このような知識を取り入れて、アサーション・トレーニングをすることは、ストレスの少ない対人関係を手に入れるためのヒントになるはずです。
アサーションで、対人ストレスを軽減させよう
アサーションについて、いくらか理解していただけたでしょうか?
自己主張がうまくできない、という悩みがある方は、このアサーションを学んで、コミュニケーションに取り入れてみてください。
この思考を取り入れていくうちに、きっと対人関係のストレスが軽減しますよ。
そしてそれは、あなただけでなく、周りの人も快適に感じるはずです。
あなたと、あなたの周りの人の環境をちょっと良くするために、今日からぜひアサーションの考え方を取り入れてみてくださいね!
参考:平木典子『アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法』
▼アサーションについてもっとわかりやすく学んでみたい方は、マンガで学べる本もおすすめです。